※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・口座開設を推奨または否定するものではありません。税制の詳細は個々の状況により異なるため、正確な計算や最終的な判断は税理士や金融機関にご確認ください。情報は2026年8月時点のものです。
【この記事の結論】
- iDeCoと会社の退職金を両方一時金で受け取る場合、受け取る間隔が近いと退職所得控除が調整され、税負担が増えることがある
- 2026年1月から、iDeCoを先に受け取ってから退職金を受け取るケースの間隔が「5年」から「10年」に延長された
- 逆に退職金を先に受け取ってからiDeCoを受け取るケースは「19年ルール」のままで変更なし。受け取る順番によって条件が大きく違う
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iDeCoの始め方を紹介した前回の記事に続いて、今回は出口、つまり「受け取り方」の話です。iDeCoは掛金の所得控除だけでなく、受け取るときにも退職所得控除という税制優遇があります。ただしこの控除は、会社の退職金と受け取るタイミングが近いと調整されてしまう仕組みがあり、2026年1月にそのルールの一部が変わりました。この記事では、その変更内容と、受け取る順番でどう有利不利が変わるのかを整理します。
mochi
私自身はまだiDeCoを始めてもいないので、受け取りはずっと先の話。それでも、始める前に出口までひととおり知っておきたくて調べてみました。
この記事を読めば、iDeCoと退職金の受け取り方でどんな落とし穴があるのか、順番によって条件がどう変わるのかが分かり、将来自分の場合はどう考えればいいかの土台ができます。
退職所得控除の基本のしくみ
iDeCoを一時金として受け取ると、会社の退職金と同じ「退職所得」として扱われ、退職所得控除という大きな控除が使えます。勤続年数(iDeCoの場合は掛金の拠出期間)が長いほど控除額も大きくなる仕組みです。
ただし、この控除には「同じ人が複数の退職所得を近い時期に受け取る場合、控除の計算期間が重複する分は差し引かれる」という調整ルールがあります。iDeCoの一時金と会社の退職金を、それぞれ別々にフルの控除を使いたい場合は、受け取る時期を一定期間空ける必要がある、ということです。この「一定期間」が、受け取る順番によって大きく異なります。
2026年1月から変わったこと|「10年ルール」
iDeCoの一時金を先に受け取り、その後で会社の退職金を受け取る場合の間隔ルールが、2026年1月から変更されました。
| 2025年12月まで | 2026年1月以降 | |
|---|---|---|
| 通称 | 5年ルール | 10年ルール |
| 必要な間隔の目安 | 5年以上 | 10年以上 |
これまでは、iDeCoの一時金を受け取ってから5年以上空ければ、その後の退職金にもフルの退職所得控除が使えました。これが2026年1月以降は「10年以上」に延長されています。つまり、60歳でiDeCoを一時金で受け取り、65歳で会社の退職金を受け取るようなケースでは、以前ならセーフだった間隔が、新ルールでは対象になってしまう可能性があります。すでにiDeCoの受け取り時期を検討し始めている方や、退職金の受け取り方を選べる立場にある方は、この変更を知らずに従来の「5年」のイメージで計画してしまわないよう注意が必要です。
変わっていないルール|「19年ルール」
一方、会社の退職金を先に受け取り、その後でiDeCoの一時金を受け取る場合は、今回の改正の対象外で、以前からの「19年ルール」がそのまま続いています。こちらは受け取る間隔として実質的に20年近く空ける必要があるとされ、10年ルールよりもかなり長い期間です。
言い換えると、「iDeCo→退職金」の順番なら10年、「退職金→iDeCo」の順番なら約20年という、受け取る順番によって必要な間隔がまったく違う制度になっています。
受け取る順番で、有利不利が変わる
この2つのルールを比べると、「iDeCoを先に、退職金を後に」受け取る順番の方が、間隔条件(10年)が短くて済む分、税制面で有利になりやすいケースが多い、と複数の専門家が指摘しています。会社の退職金は定年退職のタイミングで受け取ることが多く、受け取る時期を自分で選びにくいのに対し、iDeCoは60歳から75歳までの間で受け取り時期をある程度自分で選べます。この自由度を活かして、退職金より十分前にiDeCoを受け取っておく、という考え方です。
ただし、どちらが有利かは、退職金の金額・iDeCoの残高・加入期間・65歳以降の働き方によって変わります。一般論として順番の傾向は分かっても、自分の場合の具体的な損得は、税理士や金融機関のシミュレーションで確認するのが確実です。
mochi
「受け取る順番」まで税制に関係してくるなんて、調べるまで知らなかったよ。始めるのはまだ先でも、こういう出口の話を早めに知っておくと、あとで選択肢が狭まらずに済みそうだね。
一時金以外の選択肢|年金形式・併用
iDeCoは一時金として一括で受け取る以外に、年金形式で分割して受け取る方法や、一時金と年金を組み合わせる方法も選べます。年金形式で受け取る場合は、退職所得控除ではなく公的年金等控除が使われるため、今回の10年ルール・19年ルールの対象にはなりません。
ただし年金形式には別の注意点があります。公的年金と合算して課税される仕組みのため、受け取る年金の合計額によっては課税対象になりますし、65歳以降も働く場合は在職老齢年金の基準額との兼ね合いも出てきます。「一時金の方が控除は大きいが受け取る順番の制約がある」「年金形式は順番の制約はないが、他の所得と合算される」というトレードオフがある、と理解しておくとよさそうです。
よくある質問
Q. 会社に企業型DC(企業型確定拠出年金)もある場合はどうなりますか?
企業型DCの一時金も、iDeCoや退職金と同じ退職所得として扱われ、同様の間隔ルールの対象になります。企業型DCは退職と同時に受け取ることが多いため、実際には「退職金と企業型DC一時金を同時に受け取り、その後10年以上空けてiDeCoの一時金を受け取る」という形になりやすいです。会社に企業型DCがある方は、退職金の担当部署に受け取り時期の選択肢を確認しておくと安心です。
Q. 60歳になったらすぐに一時金で受け取ってしまうのはありですか?
一概に良い・悪いとは言えません。60歳時点でまだ働いていて、その後65歳前後で退職金を受け取る予定がある場合、10年ルールの条件を満たせない可能性があります。受け取り時期は75歳まで先延ばしできるので、自分の退職金の受け取り時期の見込みと照らし合わせてから決めるのがおすすめです。
Q. 自分の場合、具体的にいくら税金が変わるか知りたいです。どこに相談すればいいですか?
退職所得控除の計算は、勤続年数・拠出期間・金額によって個別に変わるため、この記事のような一般的な解説だけで正確な金額を出すのは難しい部分です。税理士、またはiDeCoの運営管理機関(証券会社等)に相談し、自分の受け取りパターンでシミュレーションしてもらうのが確実です。会社の退職金の担当部署にも、支払時期や分割受取の可否を早めに確認しておくとよいです。
まとめ:受け取る順番と時期は、早めに逆算しておく
- iDeCoと退職金を両方一時金で受け取る場合、間隔が近いと退職所得控除が調整され、税負担が増えることがある
- 2026年1月から、「iDeCo先→退職金後」のケースは間隔条件が5年から10年に延長された
- 「退職金先→iDeCo後」のケースは19年ルールのままで変更なし。間隔条件は受け取る順番で大きく違う
- 一般的には「iDeCoを先に受け取る」順番の方が有利になりやすいが、金額や状況によって変わるため個別確認が必要
- 年金形式なら順番の制約は受けないが、公的年金等と合算されるため別の注意点がある
iDeCoの受け取り方は、始めるときにはあまり意識しない部分ですが、会社の退職金と合わせて考えると、受け取る順番・時期次第で手取り額が変わってくる、意外と奥の深いテーマです。まだ先の話だとしても、早めに全体像を知っておくと、いざというときに慌てず選択肢を検討できます。
mochi
私も、実際にiDeCoを始めるときには、この受け取り方の話を思い出しながら考えると思います。まずは始め方の記事から、少しずつ進めていきますね。
この記事を書いた人
mochi|大学時代にお金・投資に興味を持ち、ポイ活やFXで挫折。結婚を機に「本気で将来のお金と向き合おう」と一念発起し、変額保険を通じて投資信託と出会う。その後ネット証券で低コストのインデックスファンドと出会い、旧NISAを活用した本格的な長期投資をスタート。現在は新NISAも活用しながら、コツコツ資産形成中。「若い頃の自分に教えてあげたかった」という思いから、初心者にもわかりやすいお金・投資の情報を発信中。
※本記事は情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。



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